塵芥の風積地:AUGUST「大図書館の羊飼い」レビュー

日記書いたりPCゲームのレビュー書いたり。行く先は風の向くまま気の向くまま。
『大図書館の羊飼い』は好評発売中です。

今この時のオーガスト ~10周年を超えて~

AUGUST第9作目、方向性はまた明るくポップへと向けられた
寄り道だらけの学園恋愛ADV「大図書館の羊飼い」のレビューです。
「汐美学園を、もっともっと楽しくしませんか?」

ネタバレ注意。

体験版感想はこちら
とはいえシステム触っただけにございます。

総合シナ 
 リオ
キャラムービー音楽演出シス 
 テム
85788787788


◆プレイ時間はたぶん総計22時間くらい。
共通 6:00
嬉野 40
佳奈1 2:10
芹沢 40
千莉1 2:00
玉藻1 1:40
望月 40
つぐみ1 1:30
グランド共通 3:20
佳奈2 20
千莉2 20
玉藻2 20
つぐみ2 20
凪 1:00
おまけ 1:00
わぁい20時間超え! 大ボリューム大好き!
サブヒロインは直下記載のヒロインルート途中で分岐。
個別1は下級生コンビがちょっと長めですがそれは
サブヒロインとの共通部の分。完全分岐後は大体一緒。
凪は……グランド自体凪ルート扱いで良い様な気もしますが。


インストール容量は7.06GB。
超ボリュームです。二層DVDです。

修正パッチは01/29現在ありません。
でも放置しておくと拙いと思われる部分が存在するため
その内出しそう。進行に影響はありません。

ルートの制限は1箇所。
サブ含む誰か1キャラクリアでグランドルート群開放。
そんな簡単に行けて良いんですかと思わなくもないですね。

個人的お奨め順は
芹沢->千莉1->佳奈1->嬉野->玉藻1
->望月->つぐみ1->凪->他アナザー

でしょうか。多分これが一番脳に負担の掛からない順の一つ。
じっくり一つ一つ刻み込んでいける方はグランドルートを
最後に回すことだけ踏まえればどんな順でも良いでしょう。
グランドルートからの分岐はお好みで。私としては
上記のように凪が本筋で他はおまけ然という認識が楽なように思います。


■分野別評価

◆シナリオ 7
図書部の青春ドタバタ劇。共通部の長さが色々物語ってます。

舞台は在籍数5万人超のトンデモ学園、そして願いを叶えてくれるという
「羊飼い」の噂、この時点で単なる学園モノでは収まらないだろうと
予想できる方、もしくはオーガストの作品をいくつか知る方にとっては
それほど突飛な展開には映らず楽しめると思います。
しかしそうではない方にとってはいきなり話が旅立ったかのように
見られる可能性は十分に秘めており、勉強となるかも知れません。

今作の造りで特徴的なのは、グランドルートに入る前、
メインヒロイン4人のルートでは殆どと言って良い程本筋に関わる要素が無い点。
今までは各ヒロインのルートで徐々に伏線を積み重ね、
最後のルートで打ち上げるのが基本だったように記憶していますが、
今回はグランドルートのみで本筋に触れることになります。

そうするとその4ヒロインが本筋で蚊帳の外になってしまうためでしょうか、
グランドルート内にアナザールートを作ることでフォローを行っています。
理由がそれだとしても納得できる部分ではあるのですが、
好みで言えばラストは一本道にしてくれた方が後腐れが無いというか
主題としての纏まりが良かったのではないかと感じます。

かようにけったいなフロー構造を持つ作品ですが、
実のところ作品の世界と照らし合わせて考えると、何もおかしくはない
どころか自然なもので、そちらの観点から見たのであれば
良く出来ているなぁと素直に思える部分もあります。
(試した限り)あえて閉ざされている道とか鑑みるとより一層。
前編は等身大の恋愛模様、後編は主題に絡めた上でと一口で二度美味しい
と言えなくはないんじゃないかな?

何にせよあらゆる意味で的確なジャンル名です。


お気に入りルートは佳奈1。
イベントの種類とか私好み。


◆キャラクター 8
部での活動がメインというかほぼ全てなので、部員達は出突っ張り。
シナリオ構成やアナザービューも手伝って内面描写の豊かさが強み。
そして図書部の活動はキャラ達の掛け合いが様々なネタで
繰り広げることのできる魅力的な場ですね。

属性で言うところの幼なじみや妹などメジャー所を避けており
ちょっと変わったヒロイン勢。昔からの馴染がいたら
主人公像に無理が出るいう現実的な判断だろうとは思いますけれど。

基本的に主人公は受け身なので、ヒロイン側からのコンタクトが
多くなり、キャラの個性を出す面で良かったですね。
好感度でキャラ決定するシーンだったりすると顕著。
またルートが2つある分、状況が異なる中での振舞いの違いを
見られる事も性格を強調する点で役立っていたかも知れません。

一番衝撃を受けたのはギザ。
こいつみたいなキワモノを生み出すセンスがオーガストにあるとは思わなかった。
これは封印してくれると嬉しいな。


お気に入りキャラは佳奈。
気が利く後輩。こんな作品だからこそヒロインたり得たというか。
実のところ評価がプレイ前後で反転する勢いで急上昇。


◆絵 8
一枚絵が100枚の小物3枚で全103枚。
フルプライスボリュームです。
図書部の集まりを筆頭に複数ヒロインが描かれる
シーンがいくつかあって大満足。

通常イベントのシーンでは表情をフェイスウィンドウに頼って
一枚絵側の差分が少なくなっている所はちょっと残念。

立ち絵。
メインヒロインは3ポーズ。サブと高峰は2ポーズで他1。
腕差分は無し。玉藻に扇子差分あり。
ゲーム内期間が長い分制服私服共に2バージョン。
質感すら感じさせる塗りは流石ですね。
距離は遠中近完備で感情エフェクトが賑やか。


背景。
時間差分抜きで49枚。
主人公をして何でも多ければ良いと思っているこの学園です。
どれもこれも規模が大きい。そしてそれを表現しようとすると
カメラ的には引かざるを得なくなり、結果グラフィッカが泣く、と。
量質共に感動するレベルです。


◆ムービー 7
PVとOPムービー。その呼び名には拘りがある様子。
Youtubeのチャンネルにて両方公開されています。
EDは各キャラ別個ですがスクリプト。

PVはついにある程度の長さを持ったアニメーション部分が収録。
ただクオリティはまだ上げる余地ありそう。
イントロのシルエット部はとても好き。

OPはキャラとCG紹介な一般的なタイプ。
今回は紹介文つきという一周回って新鮮感。
ただ挿入タイミングが今更な場所。


◆音楽 8
BGMは36曲。
フルプライス基準でも多いボリューム。
オーガストとしては少なかったりするのですが
そこはボーカル側に流れたと考えるのが妥当でしょう。

ヒロインのテーマ曲はサブにも存在。
メインの方はボーカル曲とメロディを共にしています。

基本的な曲調は穏やかなものが多いですね。
多いですが良く流れるものやテーマ曲は
コミカルだったり賑やかだったりで程良いバランス。


お気に入りの曲は、
・オレンジの足音
黄昏。熱気の名残を感じさせます。
この時間帯の醸すセンチな気分って一体何なんですかね。
・青麦の道
曲名が詩的。踏み出したばかりです。
メロディは勿論音色が非常に私好み。
・Two in All
ふたりきり。
とってもオーガストらしい曲。


◆歌 7
PV、OP、サブ用ED、各メインヒロインEDにグランドEDと全9曲。
あら豪華。

とうとう各ヒロイン毎のキャラソンを本編に組み込んできました。
これは嬉しいですね。特に千莉の歌唱は納得の出来。
テーマBGMとメロディが同じなので覚えておくとより楽しめるかも。


◆声 7
作品の中でさらに何か演じてる風を自然に感じさせるって凄いですよねー。
声優キャラの芹沢とか。

あんまり反響が無かったのか主人公ボイスは無し。

特にアンダルシアさんと遥そらさんの株が上昇。


◆演出 8
日付変更時にアイキャッチあり。
背景のテレビやスクリーンなどは映像が切り替わったり
Webニュースの画面や図書部HPが出てきたりと芸が細かい。

立ち絵演出がとても潤沢。
カットインを入れ込んだりコスプレなど初回は
全身をスクロール表示してくれたり。
また一時的に背景を変えて漫画表現っぽくしたり、
シリアス時は一枚絵と紛うほどの構図表現を行ったりと
見てて飽きさせないどころか引き込ませる見事な手腕。

ケータイでメール開くとき一瞬待ち受けが映るのですが
毎回きちんと時刻や天気予報ウィジェットが更新されていて
恐ろしい手の込み様。

ゲームを進めていくとタイトル画面が増えたり曲が変わったり。
画面に関しては切り替え自由なので意味も無くぐるんぐるん回したくなります。

そして最後のアレ。今回も良い切れ味。


◆システム 8
体験版とほぼ同等。
異なる点はコンティニューがQセーブに反応する様になったこと、
Qセーブ枠が6つに拡張されスロットの12ページ目が
Qデータ用に入れ替わったこと位ですかね。気付いた範囲は。

コンフィグは出来ることが多く、ジェスチャなど変態機能も
備えているものの、出来ないこともそれなりに出てきたりします。
フォントが2択だったりHシーン用ウィンドウは濃度が固定だったり
前後選択肢へのジャンプ機能はなかったり。

項目選択のジェスチャは面白い発想でした。
わざわざボタンまでカーソルを持って行かずとも
その場で上下左右すれば追随するという素晴らしい機能。

BGMタイトル表示は是非他のブランドにも搭載して頂きたい。
覚えやすさが段違いです。


◆総合 85、総括
所々過去作ネタが邪魔しない程度に入っていてこれぞTravelling August.
違いますかそうですか。

全体的に見ると時代かユーザーか、随分丸い作品です。
話を重くしないで楽しげなシーンに比重を置いたり、
終盤の展開を手堅く抑えたり。
故に刺激が少ないというか強く胸打つ作品には
届かないかなと感じる事もあるかも知れませんが、
取り敢えずで手にとっても誰でも気軽に楽しめる作品に
仕上がっているのではないでしょうか。

因みにわたしは最後のネタで買った甲斐を確かにしました。
どうやら結構な中毒者だった模様です。
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